● 本日は立川グランドホテルにおいて多摩観光協議会主催の観光シンポジウム(多摩地域の観光、集客、交流に関するシンポジウム〜磨けば光る多摩の観光)が開催されました。私も日野市商工会理事の立場で「新選組」を通じた日野市における観光事例について、発表させていただきましたので、その内容をご紹介させていただきます。
多摩地域の観光事例(日野市)
日野市商工会理事 峯岸弘行
平成18年10月5日(木)
立川グランドホテル4階 カルロ
日野市は「新選組のふるさと日野」として新選組をまちおこしの重要なポイントととらえ、10年前からは「新選組まつり」を開催してまいりました。
幕末の時代には、日野市を含む多摩地域は江戸城の西の防衛拠点として、軍事的には重要な地域であり、徳川時代に幕府直轄地「天領」として徳川幕府から手厚く遇されていました。年貢もその他の地域に比べ軽かったそうです。
そして、徳川家に何かあったときには全面的に将軍家をお守りする、という土地柄だったのです。そういうわけで、調布出身の局長・近藤勇や日野出身の副長・土方歳三、1番隊組長の沖田総司、六番隊組長の井上源三郎、そして八王子出身の横倉甚五郎や中島登、そして現在の八王子柚木中学校の元となった寺子屋をつくった斉藤秀全など多くの「多摩人」たちが天然理心流を通じて近藤の元に集まり、京都で治安警備隊として活躍することになりました。
日野市商工会では、大河ドラマの放映の数年前から土方歳三の名前を冠した「歳三うどん」を開発し、商標を登録し、販売を日野市商業協同組合に委託して販売しておりました。商工会女性部も「歳三うどんのレシピーコンテスト」を実施し、ミニパンフをつくって、歳三うどんの販促に協力しておりました。また、現在の馬場市長が誕生すると同時に始まったひの新選組まつりは毎回、全国から多くの新選組ファン、幕末ファンが日野に来られ、来年は第10回となります。
そんな中、NHKさんが大河ドラマで「新選組!」を放映すると発表され、日野市の市当局、観光協会、商工会と関係者は喜びの声をあげ、その後、市内の多くの団体が参加する「新選組フェスタIN日野実行委員会」が立ち上げられました。(通常、大河ドラマを誘致するためには、かなりの時間と予算が必要とされますが、日野市は「棚からぼた餅」的に降って沸いたような「事件」でした)
先ず動きがあったのは新選組隊士の御子孫のみなさんでした。それまでは土方歳三の御子孫が運営する「土方歳三資料館」のみが個人営業されていましたが、その後、井上源三郎資料館が大河ドラマ「新選組!」の始まる直前に開館され、その後、新選組の多摩の最大の理解者であり、スポンサーであった(今でいえば市長にあたる)日野宿名主の佐藤彦五郎の御子孫が「佐藤彦五郎新選組資料館」が今年開館しました。日野市も、日野市ふるさと博物館を「新選組のふるさと日野歴史館」として、新選組関連の展示会場に特化させたり、市民の協力を得て、都内でも1〜2箇所しか現存しない、140年前の宿場町の本陣建築物である旧佐藤彦五郎邸「日野宿本陣」を購入し、「日野宿本陣」として江戸時代の博物館として開館しました。また、市民のマンパワーを活用して「新選組ガイドボランティア」を創設し、市外からのお客様に対して、市内の各所で「もてなしの心」で史跡・資料館等をご案内しています。
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