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Hiroyuki Minegishi's Website
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夕刊フジに連載中の高木陽介のコラムを転載しています。

 

  

高木陽介議員と産業祭で

2011.11.13    

 

 

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■ <日本を公務員天国ギリシャにするな>

2011.11.8    

 

 

ギリシャのゴタゴタで世界が揺れている。フラス・カンヌで開かれたG20首脳会
議でも、ギリシャ危機を封じ込める首脳宣言が採択された。

今から2年前の200910月。ギリシャでも政権交代があり、前政権が財政赤字を
過少に計上していたことが明らかになった。ギリシャの債務返済能力が疑われ、
ギリシャ国債の格付けが引き下げられていった。

人口1100万人で、GDPの7割が観光というギリシャ。公務員天国と言われ、財
政赤字の中、給料はこの10年間で40%近くアップ。さらに年金も現役時代の報酬
の8割もらえるというからすごい。

今後、財政赤字がさらに悪化し、ギリシャ国債が債務不履行に陥ったら、欧州各
国の金融機関が大打撃を受け、リーマン・ショックを上回る金融危機になると言
われている。

欧州各国は危機回避のために、ギリシャ国債元本の50%削減やギリシャ国債を保
有する銀行の資本増強、欧州金融安定基金の拡充策などの支援策を打ち出した。
一方で当事者のギリシャも財政再建のための公務員給与の削減や、年金の抑制を
打ち出したものの、国民の反発を受け混乱。パパンドレウ首相は国民投票で信を
問うと一時表明するが、それも断念。まさに、ギリシャに世界が振りまわされて
いる。

周辺の国々から財政支援を受けながら、自分たちは身を切ることもしない。支援
国から見れば、「いったい何をやっているんだ」という気持ちだろう。

だがギリシャの混乱も他人事ではない。日本の財政もかなり厳しい状況だ。

国会では東日本大震災の復興のための第3次補正予算の審議中だ。財源としての
復興増税をどうするのか。その上、野田首相はG20で、来春の通常国会に消費税
アップの法案を提出すると明言した。

ちょっと待ってもらいたい。財政の厳しい中、国民に負担を求めることは分から
ないではない。だが、その前にやることがあるはずだ。消費税の使い道として考
えられる社会保障はどうするのか。「社会保障でこれくらいかかるので、足りな
い分をこれだけ負担してください」というのが筋だが、今の政権はそれを明らか
にしていない。

また、ムダを徹底的に省いたのかということも大切だ。ギリシャは公務員に甘か
ったが、日本はどうか。例えば公務員宿舎。2年前の事業仕分けで朝霞宿舎の建
設が凍結されたが、いつのまにか復活。世論の反発を受け再び凍結と迷走してい
る。

現在も行われている財務省の公務員宿舎削減の検討会の議事録を読むと、どうも
宿舎存続の雰囲気を感じてしまう。

ギリシャにならないためにも、公務員天国にしてはならない。

(平成23119 日付「夕刊フジ」)

 

 

  

横綱不在の政治状況では

2011.1.25    

 

 

大相撲1月場所は予想通り横綱・白鵬の18回目の優勝で幕を閉じた。

昨年の11月場所。63連勝で稀勢の里に土をつけられ、今場所も同じ相手に敗れた
とはいえ、大鵬にならぶ6連覇は見事なものだ。まさに「平成の大横綱」になり
つつある。

感心するのはモンゴル出身でありながら大相撲の歴史と伝統を学び、日本人より
日本人らしい力士に見えることだ。しかも25歳でありながら、言動に風格さえ漂
わせている。これが「横綱の品格」なのか。

「品格」といえば先日出演したBSフジの「プライムニュース」でも話題になっ
た。この番組は2時間生放送で、ゲストにじっくり話を聞くという構成。当日は
「菅第2次改造内閣の国会に野党・公明党はどう臨むのか」というテーマだった
が、私は民主党政権を厳しく批判していた。

番組も終盤になったころ、コメンテーターの中野晃一・上智大准教授が話し始め
た。

「高木さんの菅政権に対する叱責は、大横綱のいた時代は良かったなという郷愁
のように聞こえる。確かに横綱のように品格があっていつも勝つのが与党であ
り、最高責任者の首相であるのが望ましい。自公政権も自民党という随分弱くな
った横綱を後ろで公明党が支え、何とか相撲に勝っていた所もあるのではないか」

私も思わず「うーん、なるほど」とうなずく。

あの程度の首相しか

さらに中野准教授は「今の政治状況ではしばらく横綱は出てこないのではない
か。たとえ出たとしても、かなり上げ底横綱≠ナ、弱いし品格もない。その状
況下で、どういったルールを作るかだ。現実にあの程度の首相しか出てこないと
いうことが、しばらく続くのではないか」

「あの程度」とはなかなか厳しい言葉だが、菅首相に対し多くの国民も同様に感
じているのではないか。賛否はあるかもしれないが、「三角大福中」といわれた
1970
年代から80年代にかけての首相は、それなりの風格があった。それは宰相に
なるためにさまざまな準備を重ね、自らを鍛えてたからではないか。

今の時代、品格のない横綱相手にぶつかる野党も、ただ批判だけ繰り返しても何
も生まれないのは確かだ。

相撲は古来、神事から始まったといわれる。土俵は神の下りる場所であり、力士
の所作もそれぞれ意味がある。その中で立ち会いの前の蹲踞(そんきょ)は相手
を敬う意味があるという。

24
日から通常国会がスタートした。相手の話を聞く。相手の話に答える。言論の
府において、深みと品格ある論戦をするためにも、与野党ともに相手を敬う蹲踞
の精神が求められている。

(平成23126日付 「夕刊フジ」)

 

 

  

永田町維新

2011.1.11    

 

 

最小不幸社会目指すと言いつつ国民生活置き去り

年齢を重ねると物忘れが多くなるのだが、不思議に昔の事は鮮明に覚えている。
特に小学生時代のTVアニメの主題歌など、51歳になった今も歌うことができる。
読者の中にもカラオケでアニソン(アニメソング)を熱唱して、周りからひん
しゅくを買っている人もいるのではないだろうか。

先月31日付の産経新聞のコラム「産経抄」がアニメ「タイガーマスク」のエン
ディングに流れていた「みなし児のバラード」について触れていた。

温かい人の情けに
胸をうつ熱い涙も
知らないで育った
僕はみなし児さ

私も歌えるが、「産経抄」の筆者も「40年前以上も前に聞いた歌なのに、今でも
時々口ずさむ」と語っている。

「産経抄」で紹介されていたタイガーマスクのプレゼント。年末年始に心温まる
ニュースに出会った。

まずクリスマスの先月25日、前橋市の群馬県中央児童相談所の玄関に、ランドセ
10個が置かれていた。「子どもたちのために使ってください」と記されたカー
ドが添えられており、差出人は「伊達直人」と書かれていた。

私たちの世代には懐かしい名前だ。プロレスのアニメ「タイガーマスク」の主人
公と同姓同名。アニメは孤児として育った伊達直人が悪役レスラー養成機関の「
虎の穴」での訓練を経て、タイガーマスクとしてプロレスデビューする。自分を
育ててくれた孤児院に寄付をしながら戦うタイガー。寄付をした人は、明らかに
「タイガーマスク」のストーリーを意識していると思われる。

年が明けて元日。今度は神奈川県の小田原児童相談所の玄関前にランドセル6個
が置かれていた。ラッピングされた箱の一つに「お年玉です 伊達直人」と紙が
貼られていた。添えられた手紙には「群馬のランドセルの件、非常に感銘を受け
ました」「タイガーマスク運動が続くとよいですね」と書かれていた。

それぞれの相談所では今春小学校に入学する管内の児童施設の子どもたちに使っ
てもらうという。

「タイガーの贈り物」は暗い世相の中で、人の心の優しさを感じさせるニュース
だった。だが、政治に関わっている立場で考えると、それだけ、この贈り物は今
の政治の貧困≠表わしているのではないか。

菅首相は「最小不幸社会」を目指すと言った。親と一緒に暮らせない、もしくは
親のいない子どもたちが現実にいる。その子たちに今、政治が何をするのか。

通常国会を前に「政治とカネ」をめぐって党内抗争をしたり、問責決議に絡んだ
内閣改造でバタバタしている政府・民主党。

国民の生活から離れた永田町に、多くの有権者は怒りを持ちはじめている。

(平成23112日付 「夕刊フジ」)


高木陽介公式ホームページ
http://www.takagi21.com

 

 

  

菅政権で国民の夢も紙切れか

2010.12.21    

 

 

http://www.e-giin.net/_public/get_image.php?image_no=2268&element_type=2&id=minegishi年末ジャンボの季節

 師走のこの時期、風物詩の一つに「年末ジャンボ宝くじ」がある。1等2億円。前
後賞も合わせると3億円。暗い世相の中、この「年末ジャンボ」に夢を託している人
も多いのではないか。実はわが家も妻が毎年、キチンと買っている。だが、まだ1等
は当たったことがない。しかし、「買わなきゃ当たらない」と私は妻を励まし
(?)、購入を続けている。
 11月末の発売初日のニュースで、必ず放映されるのが東京・中央区の西銀座チャ
ンスセンターだ。最も多くの「年末ジャンボ」1等を出す売り場で、行列が絶えな
い。特に1番窓口の人気は凄まじく、1時間以上並ぶことも珍しくないという。
 昨年の12月もあと数日となった日だった。JR有楽町駅の近くでの仕事を終え、
チャンスセンターの前を通った。行列がほとんどできてない。一度はこの人気窓口で
買ってやろうと思っていただけに、「ラッキー!」と心を躍らせながら窓口に向っ
た。
 「やはり、2億円より前後賞合わせた3億円だよな。そのためにはバラで買うより
連番だよな」と財布から3000円を取り出した。
 「連番で10枚!」と威勢よく窓口で私。
 「あのー、ジャンボは昨日で終ってしまったんですけど、いいですか」と売り場の
おばさんの返事。
 「えッ。昨日で終了
 そうだよな。チャンスセンターがこんなにすいているわけないよなと妙に納得を
した。
 「今日から発売の宝くじもありますが、どうします?」
 普通の宝くじを買ってもな。やはり年末ジャンボでないと、などと自分に言いきか
せ3000円を財布に戻した。
 年末ジャンボを買うと、大みそかまでの期間、「当たったらどうしようか」と多く
の人が夢を見ることができる。
 一方、政府・民主党は今、夢どころか現実の世界の中、来年度の予算編成と「小沢
問題」で七転八倒をしている。
 先週末、政府は予算の収入部分にあたる来年度税制改正大綱を閣議決定した。「企
業に減税、家計に増税」という内容。各マスコミも「理念なき税制改正」「選挙を意
識した目先の思惑」などと厳しい論調を展開している。
 「国民の生活が第一」と訴え、国民にを与え政権交代した民主党政権。大み
そかの抽選で多くの「宝くじ」がただの紙切れになるのと同じように、年末の予算案
決定で国民のは散りそうだ。


(平成221222日付 「夕刊フジ」)

 

 

  

公団住宅の生活を守る!

2010.12.15    

 

 

 公明党の高木陽介幹事長代理は都内で開かれた「全国公団住宅居住者総決起大会」に出席し、あいさつしました。
 高木氏は都市再生機構(UR)が来年4月に公団住宅の家賃値上げに踏み切る恐れがあることを言及。2年前も同様の動きがあった際に、当時与党だった公明党などの反対で、見送りとなった経緯に触れ、「与党が(見送りの)決断をすれば決着がつく問題だ。」と指摘しました。
 また、政府が事業仕分けの結果を踏まえ、UR賃貸住宅の一部を民営化する方針であることについて「改悪だ」と批判し、「阻止するために全力で戦っていく」と力説しました。

 

 

  

賞味期限切れの菅内閣

2010.12.7    

 

 

失態に次ぐ失態

「民主党の作戦?。次から次へと問題を起こして、逆に追及できなくしてるん
じゃない」

今年、20歳になった大学生の長男が私に質問してきた。

「う〜ん。それが作戦だったら、高等戦術だな」

民主党代表選で菅首相が再選し、内閣改造してスタートした臨時国会が3日、閉
会した。64日間の会期を振り返ってみると、冒頭の長男の言葉も「なるほど」と
思ってしまうほどだった。

まず臨時国会の初めに問題となったのは「尖閣問題」。公務執行妨害容疑で逮捕
した中国人船長を釈放したものの、それは検察の判断と仙谷官房長官は主張。そ
の後、中国漁船の衝突ビデオを非公開としながら、そのビデオがネット上に流出
するという失態。

日中関係がギクシャクしている間に、今度はロシア大統領が北方領土の国後島を
訪問。菅内閣の外交上の対応のまずさを露呈した。

さらにAPECでは、中国の胡錦濤国家主席との会談に固執した菅首相。ようや
く実現した会談ではメモを見ながら話し、「この国の外交は大丈夫か」という印
象を多くの国民が持ってしまった。

北朝鮮の砲撃事件では発生直後に官邸に政治家が居なかった。この空白の70
≠野党から追及され、内閣の危機管理に不安が募った。

柳田前法相の失言にもあきれてしまう。実質的な更迭で決着をみたが、仙谷官房
長官の自衛隊に対する「暴力装置」発言など、言葉に対する緊張感に欠ける政府
・与党。

国会終盤では、国会開設120周年式典における、中井衆院予算委員長の秋篠宮ご
夫妻に対する野次(?)問題も起きた。

「政治とカネ」に目を転じると、企業団体献金の禁止をマニフェストに掲げた民
主党だったが、自粛を解禁。「クリーンな民主党」はどこへ行ってしまったか。
さらに小沢元代表の国会召致問題も棚ざらしにしたまま国会は閉会した。

それらの結果、内閣支持率は急降下をたどり、マスコミ各社の調査は軒並み「危
険水域」の20%台になってしまった。


国民も「こんなはずでは・・・」

「こんなはずじゃなかった」

昨年の衆院選で民主党に投票した多くの有権者はそう思っているかもしれない。

これから年末にかけての来年度予算案の編成作業が行われる。既に迷走≠オて
いるようだが、政府・与党のミスはそのまま国民生活に影響するという自覚がな
さすぎる。

菅内閣もそろそろ賞味期限が切れてきたかもしれない。


(平成22128日付 「夕刊フジ」)

 

 

  

「再仕分け」政治主導とほど遠く 

2010.11.22    

 

 

「再仕分け」政治主導とほど遠く 
概算要求した長妻氏が仕分け人≠ニは・・・


「何をやってんだろう」という気分になる。

政府の行政刷新会議は15日、事業仕分け第3弾の後半にあたる「再仕分け」をス
タートさせた。

政権交代後の昨年11月に行われた事業仕分け。

「2番じゃダメなんですか

蓮舫行政刷新担当相の厳しい追及には若干の批判があったものの、税金のムダ遣
いにメスが入ったことに多くの国民は拍手喝采した。その後、独立行政法人を対
象にした第2弾、特別会計を対象にした第3弾前半と民主党政権の目玉として実
施されてきた。

今回の「再仕分け」は、これまでの仕分けや各省の「行政事業レビュー」(省内
仕分け)で、「廃止」「見直し」などの判定を受けたにもかかわらず、各省が11
年度予算の概算要求で復活≠ウせている事業が対象。その数は11府省の112
事業。

「再仕分け」を報ずるテレビのコメンテーターは「ゾンビのようだ」「官僚がし
たたかだ」などと論評しているが、ちょっと待てよと思う。

昨年の事業仕分けは、自公政権が編成した予算に対する切り込みだった。それま
で与党の一員だった私も、キメ細かなチェックを怠ったことを反省した。ところ
が、今回の仕分け対象となった事業の概算要求は、今年8月末に菅内閣で行われ
たものだ。

民主党は「自公政権は官僚主導=vと批判していた。本年度の予算は予算編成
までの時間も少なく、全面的な組み替えは無理だったかもしれない。しかし、来
年度予算案の概算要求は、「政治主導」の名のもと、大臣、副大臣、政務官の政
務三役が、最終決定をしたものではないのか。

「再仕分け」の事業の中には厚労省の「医師確保、緊急・周産期対策補助金」「
女性と仕事総合支援事業」なども含まれている。これらの事業の概算要求をした
長妻昭前厚労相が、今回「仕分け人」として「再仕分け」に加わっている。冒頭
の「何をやってるんだろう」という気分になってしまう。

仕分け人の間では、仕分け判定に法的権限や強制力がないことが、ゾンビ≠フ
ような概算要求の復活になるとの声がある。しかし、各省では同じ民主党議員が
政務三役という絶対権力者≠ネのだから、「政治主導」で決断するだけで済む
はずだ。

そういえば、「尖閣ビデオ流出事件」でも、官僚である海上保安庁長官の更迭を
示唆しながら、政治家である国交相の進退には「政治職と執行職のトップは責任
のあり方が違う」などと、逃げ≠フ見解を述べた官房長官もいる。「政治主導」
と言いながら、政治責任を回避しようとするのが今の内閣の姿だ。仕分け劇場も
結局はパフォーマンスにすぎないと国民は感じ始めている。

(平成221117日付 「夕刊フジ」)

高木陽介公式ホームページ
http://www.takagi21.com

 

 

  

高木国政報告会

2010.10.28    

 

 

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 立川市のパレスホテル立川で「高木陽介君を励ます会」国政報告会を、多くの参加者にお越しいただき、盛大に開催した。

 あいさつに立ち、日頃の支援に深く感謝を述べるとともに、、来年春の統一地方選に向け、完全勝利の決意を述べた。

 公明党からは井上義久幹事長が出席し、あいさつした。

 

 

  

タバコ、やめるか続けるか

2010.9.21    

 

 

やめるか、それとも、続けるか――。政策の話ではない。喫煙の話だ。

 101日からタバコが値上げされる。値上げのたびに多くの愛煙家が「決断」を迫られる。私もその一人なのだが

 昨年暮れに政府・民主党で議論された平成22年度の税制改正。ガソリン税の暫定税率を廃止するとマニフェストで掲げ、政権交代をした民主党だが、小沢一郎幹事長(当時)の"ツルの一声"で、1年目はあっさりとそのマニフェストを放棄した。

 さらにムダを省いて財源をつくると言いながら、それもままならず、タバコ税を上げると決定した。しかも1本あたり3.5円の税率引き上げとなった。

 日本たばこ産業(JT)は「大幅な需要減少が見込まれる中、メーカーとしてのコスト削減だけではカバーしきれない」として、主要銘柄で1本5.5円〜7円の値上げに踏み切る。

 例えば、1箱300円のマイルドセブンは410円に。過去10年で3度も増税されたタバコだが、海外と比べてもまだ安いのは確かだ。昨年6月段階で、ノルウェー1450円、イギリス1150円、アメリカ840円、フランス830円、ドイツ740――となっている。

 タバコは「健康に良くない」「有害だ」と指摘されながらも、愛煙家からは「それなら売らなければいい」、「自分の体を犠牲にして財政に貢献しているんだ」との声がある。

 タバコの価格は大半が税金。1箱300円の場合、本体価格は37%の110.84円。たばこ税が58%の177.88円。さらに消費税5%に相当の14.28円。1日1箱吸う人なら年間約7万円弱を納税していることになるわけだ。

 平成1012月、旧国鉄の債務処理のために「たばこ特別税」が創設された。その増税の恩恵にあずかったJR東日本が首都圏の駅の全面禁煙にしたのは驚いた。「タバコで借金を返してもらったのに、その仕打ちは」と思った愛煙家も多いのではないか。

 しかし、世の中は確実に禁煙、嫌煙、さらに絶煙の流れになっている。

 多くの愛煙家がタバコをやめることで、税収は減る。一方、健康増進につながり、医療費の伸びにブレーキがかかれば、財政に貢献できる。

 結局は、財政の問題というより、個人の意思の問題だ。禁煙した方が自分の健康にとってプラスは間違いないのだから



(平成22922日付 「夕刊フジ」より転載)


 

 

  

永田町維新〜型にはまらず

2010.8.10    

 

 

不明老人や育児放棄 気がかりな家族崩壊

イヤな感じがする。

 高齢者の所在不明が各地で相次いでいる「消えた100歳」問題のことだ。

 昨年9月の「敬老の日」を前に、日本は100歳以上の高齢者が4万人を突破するという報道があった。平成元年には3078人だった100歳以上の高齢者が20年で100倍以上になったわけだ。

 また、先月26日には厚生労働省が平均寿命を発表した。男性79・59歳、女性86・44歳と、ともに4年連続で過去最高を記録した。女性は世界1位、男性も5位だったが、男女合わせた平均寿命は1位となっている。しかも、女性の1位は25年連続という。

 だが、世界に冠たる長寿国≠ニいう心温まるニュースが、「消えた高齢者」問題という暗い話題に、かき消されてしまった。

 発端は東京・足立区の事件だ。111歳の都内最高齢の男性が白骨遺体で発見された。家族が同居していたにもかかわらず、30年前に死亡していたらしい。

 これを契機に、各自治体が慌てて100歳以上の高齢者の所在を確認。共同通信の調べによると、7日までに不明者は19都道府県で75人に達したという。

 不明やすでに死亡していながら、家族がその年金などを受け取っていた事例もあるから、開いた口がふさがらない。

 高齢者の所在や安否については、自治体職員や民生委員が面会するケースがあるものの、今回はいずれも本人とは面会せずに時間が経過した場合がほとんどだ。家族から「会いたくない」「施設に入った」と言われ、それ以上の調査ができない場合があったという。

 高齢化社会の進展に伴い独居老人が増える中、行政による高齢者の所在や安否確認の方法も検討していかなければいけない。

 しかし、一連のニュースで気になるのは「家族の崩壊」である。

 「どこにいるか分からない」。テレビのインタビューに平気でこう答える所在不明≠フ高齢者の家族と、同じ時期に大阪で1歳と3歳の幼児が部屋に放置され、遺体でみつかった事件が重なる。

 幼児の母親は23歳。死体遺棄容疑で逮捕され、調べに「ご飯も水も与えなければ生きていくことはできないとわかっていた」と供述したという。

 自分の親がどこに暮らしているのか知らないし、気にならない子。一方で一人では生きていけない子供の生命を奪う親

 国や地域社会を構成する最も小さな絆ともいえる「家族」はどうなってしまったのか。国の根本が揺らぎはじめている。政治の大きな課題だ。





(平成22年8月11日付 夕刊フジより転載)



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ー永田町維新ー型にはまらず

2010.7.27    

 

 

時代はクールビズ



民主は強引な国会運営を猛省し合意形成のために汗をかけ



 「暑い! とにかく暑い!」

 先週は最高気温35度以上の「猛暑日」が全国各地で続いた。梅雨が明けてから、日本列島は熱帯≠ノなってしまったかのようだ。

 昔は「猛暑日」なんて言葉はなかった。1990年以降に35度以上の日が急増。気象庁は「夏日(25度以上)」「真夏日(30度以上)」に加え、2007年から「猛暑日」という「予報用語」を導入したという。

 これも気候変動の兆候なんだろうか。

 そういえば子どものころ、エアコンのある家は少なかった。夏の暑さは扇風機でしのいでいた。エアコンはぜいたくといった時代だった。だが、今はエアコンがないと、生きていけない。

 さらに暑い℃梠繧ノ登場したのがクールビズだ。2005年に小泉政権下で環境省が中心になって打ち出した環境対策の軽装キャンペーン。

 今回の参院選でも多くの候補者や政治家はクールビズで対応していた。「たちあがれ日本」の平沼代表のようにスーツにネクタイ姿の方も若干いたが、私も街頭演説で半袖ボタンダウンでノーネクタイ姿で通した。正直、暑さの中でのクールビズは助かる。

 17年前の1993年7月。衆院選初挑戦の時は、スーツ、ネクタイ着用で選挙戦に臨んだ。炎天下の中、街頭演説をやると頭から水をかぶったように汗が吹き出した。ネクタイの結び目も汗で固くなり、スーツもびっしょり。移動の車でYシャツ、スーツだけでなく下着も着替えることに。狭い後部座席でパンツまではきかえるので、信号待ちでの停車は「うわっ、とまるな」とハラハラしながら着替えたのを覚えている。

 いまやクールビズも定着し、夏の通勤電車内でネクタイ、スーツ姿の人はめっきり減っている。エアコンにしても、クールビズにしても、時代の変化に対応して定着してきた。

 さて政治の方はどうか。参院選の結果、与野党の議席数が逆転するねじれ国会≠ニなった。

 今週末から臨時国会がスタートする。この新しい状況に、与野党共にどう対応していくのか。参院選大敗、はたまた猛暑のために思考が停止してしまったのか。菅・民主党からの発信がめっきり減っているように思う。 まずは政府・与党の民主党が先の通常国会の強引な国会運営を猛省し、合意形成のために汗をかいていくのかが試される。



(平成22年7月28日付 夕刊フジより転載)

 

 

  

永田町維新ー型にはまらず

2010.5.12    

 

 

小選挙区制の「限界」



英国総選挙で見えた



「いったい、誰が勝ったのか」

 6日の英国総選挙(定数650)。結果が判明後、BBC放送の司会者が冒頭の言葉を漏らした。

 英国総選挙は与党・労働党が大きく議席を減らして258の第2党に。13年ぶり政権交代を目指した保守党が306議席と第1党の座を獲得したものの、過半数を制することができなかった。どの政党も過半数がとれない「ハングパーラメント(宙づり議会)」となったのは36年ぶりのことだという。

 英国総選挙については、各新聞がさまざまな分析をしているが、「英国民は労働党に幻滅したが、保守党を信じ切れない状態でもあった」(読売新聞8日付朝刊)という解説は、「わが国の政治状況にもあてはまる」と感じる人も多いのではないか。

 翻って日本の政界はー。昨夏の衆院選で政権交代をした民主党。普天間基地移設問題での迷走や、けじめをつけない「政治とカネ」の問題。さらに高速道路料金の政府と党の意見対立など、多くの国民は鳩山政権の統治能力に疑いの目を向けている。一方、野党第一党の自民党は離党者が続出し、政権奪還への気概が伝わってこない。マスコミ各社の世論調査の結果がそれを物語っている。

 2大政党制は、政権党がダメな場合、野党がそれに代わって政権を担っていく。新たに担った政権党がダメなら再び交代するはずだが、下野した政党が立ち直れていない場合、国民はどの政党を選べばよいのか。完全小選挙区と2大政党制本家の英国。今回の総選挙結果が、その制度の「限界」を印象づけた。

 小選挙区制では最高得票の1人しか当選しないため死票が多く、英国でも「不公平さ」が指摘されていた。日本でも小選挙区の場合、大半の当選者は選挙区の有権者の2割から3割の得票率で当選。残る7、8割の有権者の民意は議会に反映されないことになる。

 小選挙区制度の導入を決めた細川連立内閣。1993年8月、細川首相は衆院本会議で政界再編後の形として「穏健な多党制」と表現。一年生議員として議場にいた私は、細川首相の言葉が忘れられない。夏の参院選を前に新党が次々と誕生し、民主、自民に飽き足らない有権者を意識して「第3極」争いが過熱している。

 先日、ベテランの政治ジャーナリストと対談した。「小選挙区制によって政治が小さくなった」という言葉が胸に突き刺さった。選挙制度を見直さねばならない。

(平成22年5月12日付 夕刊フジより転載)




 

 

  

花見の席が失望内閣の糾弾会に

2010.4.6    

 

 

桜花爛漫の季節。各地で花見が真っ盛りだ。

 先日の日曜。私も地元(東京・日野市)の公園で行われた自治会主催の花見に顔を出した。満開の桜の下、ゴザとビニールシートを敷き、50人ほどが参加していた。

 宴席の途中、私が公明党の国会議員と知ったうえで、50代の男性が日本酒を飲みながら語りかけてきた。

 「オレは民主党を応援しているけど、小沢さんは(幹事長を)辞めた方がいいね」

 一方、3月末に米軍普天間基地移設問題の政府案を決めると公言した首相発言が「別に法律で決まっているわけじゃないんだから」とブレたことについて、年金生活をしているという60代の男性は、こう語った。

 「会社で何日までに決めますといって、それができなかったら、大変なことになる。ただじゃ済まない」

 共通するのは、鳩山内閣や小沢一郎幹事長が牛耳る民主党への辛口評価。最近のマスコミの世論調査と同じ傾向だ。

 先月31日の党首討論でも、わが党の山口代表が、次から次へと問題が噴出する鳩山内閣を失望内閣≠ニ糾弾した。

 ざっと挙げるだけでも、「失望」はこんなにある。

 @誰も責任をとらない「政治とカネ」の問題A利益誘導政治の復活ともとれる「個所付け」問題B閣内バラバラの「郵政改革案」C見通しの立たない「普天間基地移設」問題D危機管理意識が欠如した国家公安委員長の「軽率な行動」E相次ぐ閣僚の国会審議の「遅刻」……

 一つだけでも、政権が揺らぐほどの大問題なのだが、鳩山首相は「ケロッ」としているようにみえる。

 「あまりにも問題が多すぎて、追及の焦点がボケてしまう」。党首討論の数日前、議員会館のエレベーターで鉢合わせた野党議員のつぶやきに、思わずうなずいてしまった。

 花見から帰宅すれば、大学2年の長男が、あまりにも度重なる内閣の問題に「わざとやってるんじゃないの」と論評するほどだ。

 問題噴出で野党の追及を分散化させることで、内閣が延命しても、国民に突きつけられた不安や失望は解消されない。

 「反省すべき点は反省したい」。党首討論で山口代表が突きつけた質問に、鳩山首相は殊勝な姿勢をみせたが、ふと昔はやった言葉が浮んだ。

 「反省だけならサルでもできる」

 

 

  

「自分たちで選んだ」 麻生総裁を支えよ

2008.12.10    

 

 

「鍋」の季節がやってきた。寒い冬、自宅に戻ってホカホカの「鍋」はホッとする。地方によっては特色のある「鍋」がいろいろあるが、読者の家庭でも自慢の「鍋」があるのではないか。

 我が家でも先日、久しぶりに家族全員(5人)がそろったので「鍋」を囲むことになった。ところが、何鍋にするかで意見が分かれてしまった。

 私「鶏の水炊きがいいんじゃないか」

 長男(高3)「えー、トリーっ、豚しゃぶがいい」

 長女(高1)「私は白菜食べたい」

 私「水炊きにも(白菜)あるよ

 次男(小5)「とにかくすき焼き!」

 妻「私は準備が楽なのがいい

 なかなか意見がまとまらず、多数決で決着をみることに。結果は「豚しゃぶ」3票、「水炊き」1票、「すき焼き」1票で「豚しゃぶ」の勝利となった。

 「でも、英雄(次男)は小さいから、英雄のいうことを聞いてあげないと」と、私が再提案をすると、次男は一言。「民主主義だから『豚しゃぶ』でいいよ」

 へえー、我が家にも『民主主義』が根づいていた。

 さて、民主主義を体現しなければならない政治の分野は混迷している。

 8日に発表された新聞社の世論調査。麻生内閣の支持率が激減している。朝日22%、毎日と読売が21%。

 内閣を支える与党としては、この数字を厳しく受け止め、しっかりと対応策を打たなければならないと思う。ところが肝心の自民党内でゴタゴタが目立っている。

 特に中堅・若手から批判が相次ぎ、マスコミをにぎわしている。その中で、森元首相が政権批判に対して次のように述べていた。

 「自分たちが選んで2ヶ月の総裁を守るという気持ちなくして、何で政治家をやっているのか。マスコミに受けたいなら、お笑いタレントでもやればいい」

 私もその通りだと思う。9月に自民党は総裁選を実施して、麻生さんを選んだ。もちろん、批判を繰り返す議員の中には、総裁選で他の候補を応援した人もいるだろう。しかし、総裁選という手続きを経て、選んだからには、自民党の議員として支えるのは当然ではないか。意見があるなら麻生首相に言えばいい、マスコミに向かって、パフォーマンスをやる必要はないはずだ。小学5年の息子も、たかが「鍋」とはいえ、民主主義の原則を理解している。

 政権批判を内側から発信する人たちは、それなりの主張を述べているようだが、「選挙を前にしていかに自分が生き残るか」という「自分党」丸出しに見えてしまうのは、私だけだろうか。

(平成201210日付 夕刊フジより転載)


 

 

  

「篤姫」にはまる理由

2008.11.25    

 

 

 「あっ篤姫だ」
 テレビのCMで宮アあおいさんが出ていると、思わず口走ってしまう。NHKの大河ドラマ「篤姫」にはまっている読者は多いと思う。私もその一人だ。
 「何がいいの?」と問われても、うまい答えは見つからない。これまでの「篤姫」の平均視聴率は24・13%(16日放送分まで)。つまり4人に1人は見ていることになる。
 大河ドラマというと、先日亡くなった緒形拳さんが主演した「太閤記」(65年)を思い出す。まだ小学生になる前だった。親が見ていたので、一緒になって見ていた。中学の頃は、大河ドラマの原作本を読むのが楽しかった。72年「新平家物語」(吉川英治)、73年「国盗り物語」(司馬遼太郎)74年「勝海舟」(子母沢寛)。それがきっかけとなって、歴史小説が好きになった。
 不思議なことに子どもの時の記憶は、40代後半になった今も鮮明に覚えている。当時の大河ドラマのセリフを再現してみせると、妻が「よく覚えているのね」と感心してくれるが、その一方で、「何か役に立つことある?」と厳しい一言。
 だが、社会に出てからは大河ドラマはおろか、テレビのドラマを見る機会がめっきり減ってしまっていた。ところがだ、今年の「篤姫」は違った。日曜の午後8時に自宅に戻れない時は録画をして見ている。冒頭にも書いたが、何がいいのかよく分からないが、ついつい見続けてしまっている。
 その「篤姫」も残すところあと3回。幕末のクライマックスの江戸無血開城に向けてドラマは進行している。
 NHKの「篤姫」公式ホームページには企画意図がつづられている。「個人個人が責任ある行動を取ることの重要さは、今も昔も変わりはありません。(中略)篤姫、後の天璋院は、幕末にあって、まさに責任ある行動をとった人物です。(中略)自分の立場、責任を自覚した篤姫の行動が、江戸無血開城に大きな役割を果たしたのです」
 今の日本も、時がたって振り返ってみると、大変な激動の時代だったと言われるかもしれない。そのような時に、政治に関わる身としては「責任ある行動」をとっていかなければならないと痛感している。
 封建的な時代でも一女性として「立場」「責任」を自覚した篤姫の行動が、多くの視聴者を引きつけた。このところ、麻生首相の言動、一挙手一投足にマスコミから厳しい批判が集中している。
 ここは篤姫ではないが、日本の舵取りを担った麻生首相の踏ん張りどころだ。首相としての「立場」「責任」が注目されている。



(平成201126日付 夕刊フジより転載)


 

 

  

軍人は思想を持っても公に語るな 

2008.11.11    

 

 

航空自衛隊のトップが更迭された。「我が国が侵略国家だったというのは濡れ衣だ」などと主張する論文を発表した多母神俊雄・航空幕僚長。参院外交防衛委員会では前空幕長の参考人質疑が本日(11日)行われる。
 問題となった論文を改めて読んでみた。日中戦争について「我が国は蒋介石により日中戦争に引きずり込まれた被害者」と主張。さらに「当時の列強といわれる国で侵略国家でなかった国はどこかと問いたい。よその国がやったから日本もやっていいということにはならないが、日本だけが侵略国家だといわれる筋合いもない」と展開した。
 どこかの右よりの論壇に登場しそうな論調だ。日中戦争全体をみて日本は果たして被害者なのか。また欧米列強と比較して侵略かそうでないかなのでなく、被害を受けたアジア諸国がどう感じているかだ。植民地支配された側が「侵略されていない」というなら分かるが、支配した側が「あれは侵略ではない」というのはいかがなものか。
 読売新聞の社説(2日)は「事実誤認や歴史家の多くが採用していない見方が目立っており、粗雑な内容」と指摘している。
 更迭後、前空幕長は記者会見で「政府見解に一言も反論できないなら北朝鮮と同じだ」と言ったという。わが国は憲法で、思想・良心の自由と言論・表現の自由を保障している。どのような歴史認識を持つのかはもちろん自由である。
 さらに、憲法は「内閣総理大臣その他の国務大臣は文民でなければならない」と文民統制、いわゆるシビリアン・コントロールを規定している。
 「文民統制」は政軍関係において「政治」が「軍事」に優先する考えだ。つまり、主権者の国民が選んだ代表を通じて自衛隊をコントロールすることにほかならない。
 武装実力組織の首脳が、「今の政府の考え方が間違っている」と主張し、その部隊が呼応したらどうなるか。今から72年前、陸軍の青年将校らが起こした2・26事件。時の政治を変えようとクーデターを起こした。軍事組織がある思想を体現しようとして、政治と衝突したのが2・26事件でもある。
 集団的自衛権の行使や武器使用の制約についても論文では問題提起している。しかし、それを決めるのは主権者たる国民で、その国民に選ばれた国会及び政府である。
 誤解を恐れずに言えば、軍人≠ヘ思想を持っても、公に語ってはいけないと思う。もし、その思想を語りたければ、軍人≠辞めて、一国民として堂々と論争すればよい。
 「文民統制」だからこそ政治の側も、国の安全保障を担っていることを強く自覚していかなければならない。



(平成201112日付 夕刊フジより転載)

 

 

  

朝日社説定額減税批判に反論する

2008.10.28    

 

 

http://www.e-giin.net/_public/get_image.php?image_no=1518&element_type=2&id=minegishi「ちょっといいかな」
 2人の子どもが寝静まった後、家計簿をつけている川村明日果(35)に、夫の和彦(35)が正座をして話し始めた。
 「実は、ボーナスがかなり減るらしい」
 会社の現状を話す和彦。しばらく沈黙が続いた後、明日果は笑顔で答えた。
 「分かった。大丈夫、やりくりします」
      
 公明党の政策や実績をドラマ仕立てで紹介するショートムービー「MY LIFE〜明日果の生活」の1シーンだ。このドラマは公明党のホームページや動画配信サイト「ユーチューブ公明党チャンネル」で配信されている。
 今年に入ってからの物価高。給料が上がらないどころか、実質的に減っている現実。景気の後退など、国民の生活に荒波が押し寄せている。
 そのような中、今月末に政府・与党でまとめる第2次の経済対策で「定額減税」が盛り込まれる。公明党は2兆円を超える規模で、夫婦と子どもの計4人家族で6万5000円程度の減税を主張している。
 ところが、22日付の朝日新聞社説が、この「定額減税」をボロクソに批判した。減税より国債返済の方が優先すべきと主張し、「薄く広く減税するのは愚策といわざるを得ない」とこきおろしている。
 先日、大阪府の橋下知事が朝日社説にかみついたが、私も反論をしたい。
 9月に厚労省が発表した「国民生活基礎調査」では、「生活が苦しい」と感じている世帯は57・2%で6年連続で過去最多。また昨年の1世帯あたりの年間平均所得は566万8000円で、所得が平均を下回った世帯の割合は過去最多の61.2%。
 テレビキャスターや評論家も「減税しても貯蓄にまわって経済効果がない」などとコメントしている。しかし、立命館大学の高橋伸彰教授は「それはギリギリのところで生活している人の苦しみを無視した無責任な立場からの意見」と指摘する。
 「貯蓄にまわる」との意見に対し、高橋教授は「そんな余裕がある人ばかりなら、各種の世論調査で生活が苦しいと答える家計の割合が急増するわけがない」とバッサリ。
 キャスターや評論家、朝日・社説の筆者の年収は「ウン千万円」なのでは。平均年収以下で、子育てをし、小遣いを減らし、生活を切り詰めている人の痛みをどう思うか。
 財政の理論は無視していいとは思わない。だが苦しんでいる人に手を差しのべるのが政治だ。朝日新聞は「弱者の味方」ではないのか。ちなみに朝日ではないが他の新聞社の記者が私に言った。「私も定額減税してもらいたいです」



(平成201029日付 夕刊フジより転載)


 

 

  

省庁 タクシー券全廃の決断を

2008.10.17    

 

 

「私としてもタクシーチケットの廃止を指示したところでございます。環境省はタクシーチケットを廃止します」

 公明党出身の斉藤鉄夫・環境相の声が衆議院第一委員室に響いた。6日に開かれた衆議院予算委員会。わが党の赤羽一嘉・衆院議員の質問での答弁だ。

 この日は補正予算の審議初日の委員会。テレビ中継も行われていた。しかし、その夜のテレビ・ニュースや翌日の新聞には、この場面はほとんど報道されなかった。

 通常国会が開かれていた6月。「居酒屋タクシー」が問題となった。霞ヶ関の官僚が公費のタクシー券を利用し、深夜帰宅する際、運転手から金品を受け取っていたという。

 そんな時、当時の冬柴国交相が本省の全職員約4000人を対象にタクシー券の使用禁止を発表した。それまでの同省の本省職員のチケット利用は1日約200件。年間で12億4000万円に上がっていた。

 先日の予算委で質問に立った赤羽議員は次のように語った。

 「私はタクシーを使うなとは申しませんが、今、民間企業でも社員が帰る時にタクシーに乗る場合はタクシーチケットを使っている企業なんてありません。かかった分は自ら立て替えで現金で払って、領収書もらって、翌日会社で申請して精算する。これは当たり前のことです」

 議員になる前、総合商社に勤務していただけあって、赤羽議員の指摘は説得力がある。

 さらに、「人間は不思議なもの。チケットがあると今日もタクシーで帰ろうというのが、チケットがないと、最終電車に間に合うように仕事の効率化を考える」と赤羽議員は続けた。

 実際にタクシー券廃止に踏み切った国交省は、6月23日からの1ヶ月間で、タクシー利用は600万円だった。その前の月は1億円かかっていたので、94%の削減になっている。

 全大臣に質問したかった赤羽議員だが、代表して斉藤環境相に答弁を求めた。国交省、環境省と共に公明党出身の大臣の決断でタクシー券全廃が断行された。2世議員が多いといわれる麻生内閣。ここは民間の感覚をしっかりと取り入れて、タクシー券全廃を決断してもらいたい。「2世議員でも大丈夫」といった政治を見せるチャンスでもある。



(平成201015日付 夕刊フジより転載)


 

 

  

「政権交代」叫ぶ小沢代表の矛盾

2008.10.9    

 

 

「あんなに気合いを入れてやらなきゃいけない?」

麻生・自民党総裁が神崎・公明党常任顧問に話しかけた。

  「いやあ、いつも通りで結構ですよ」と神崎顧問が笑いながら答えた。

  23日に開催された公明党大会。前日の自民党総裁選に圧勝した麻生総裁が来賓として出席。

 壇上では、再任された太田代表の挨拶が続いている。「日本の未来を決する衆議院選挙に断じて勝利しなければならないと・・・」。ボルテージがガンガン上がってきた時、冒頭の麻生発言があった。

太田代表の演説は直球勝負だ。一方、麻生総裁の話は変化球を織り交ぜる。閉塞感のある我が国の現状を打破するために、与党トップの硬軟のコンビネーションは効果的だと思う。

来賓挨拶に立った麻生総裁。メモを取り出して、少し緊張気味に話し始めた。

「今までメモを見ながら話した麻生さんは見たこともない」。麻生総裁と共に政調会長を務め、気心が知れる北側幹事長が党大会後に話していた。

だが、しばらくすると「暗いとダメ。明るくないと世の中ダメ」と、小沢民主党代表を意識して話すと、会場から爆笑と拍手。メモはどこかへ行ってしまい麻生節が出てきた。「民主党は一体、国家・国民のために何をしてきたのかということを率直に考えていただきたいと思います」。いつの間にか麻生総裁もボルテージが上がっていた。

 その日の夜、麻生・太田会談で新たに政権合意書にサイン。翌日、麻生内閣がスタートを切った。

 永田町は解散総選挙に向かって与野党ともに突き進んでいる。

 臨時国会の初日。民主党の小沢代表が代議士会で「政権交代の秋」と挨拶したニュースが流れた。

 昨秋の大連立騒動の時、小沢代表は民主党役員会で「大連立」を反対され、辞任を表明した。その時の記者会見では「(民主党に)政権担当能力が本当にあるかどうか。あらゆる面で、いま一歩という感じだ」と語っている。

 あれから一年。自ら「政権担当能力」に疑問を投げかけた小沢代表が、今度は「政権交代」を叫ぶ矛盾に民主党はどう答えるのだろうか。

(平成20101日付 夕刊フジより転載)