この度の定額給付金の支給は、住民基本台帳をベースに給付リストを作成して実施されるため、住民票を現住所に移していないDV被害者には支給されないどころか、加害者へ被害者の分も支給される可能性が指摘されています。
そこで、現在被害者が居住している住所を知られることなく、加害者ではなく被害者へ定額給付金を支給するため、今のところ以下の三つの方法があることをお伝えします。
@被害者が現住所に住民票を移動し、その際、住民票の写しの閲覧防止措置を願い出ることです。
これは従来から行っている措置であり、今回も加害者が役所の窓口などに「(被害者の住所を)教えろ!」言って来たとしても、住所を開示しないよう、総務省は各市町村に再度周知徹底しています。
しかし、過去に窓口職員のミスで加害者に住所が知られることとなったことから、被害者の多くはこうした措置があったとしても、心理的に現在の住居地へ住民票を移動できないのが現状です。
A住民票を現在の居住地ではなく、実家や友人・知人宅、支援者宅等に住民票を移すということです。
これは「@の方法がうまくいかないからなんとかせよ!」と太田代表や多くの議員が強く要請したことによって総務省が裏技として内々に示してきたものです。
本来、住民登録時の住所は「生活の拠点」としているところでなければなりませんが、今回のみDV被害者についてはそれを拡大解釈しても良いという総務省の見解です。
ただし、この見解は住民基本台帳を所管する総務省として表立っていうことはできません。
しかし、「こういうケースはいいのか?」と市区町村の職員から、総務省の給付金担当部局へ相談してくれれば『そのとおりだ』と答える手はずになっています。
※現在の住居地を「支援センター等」の公的な場所に転居先できないかということも、内閣府、厚生労働省、総務省と協議したのですが、「住民登録の住所」には本来、居住実態(居住スペース)が必要であることから公的機関は認められませんでした。
※さらに「支援センター等」は、住所自体を被害者の身の安全を守るため、原則公開していないため、認められませんでした。
なお、このAの方法をとる場合に一番大きな問題は時間的な制限があるということです。基準日が2月1日であることから、2月15日までに転出・転入の手続きをする必要があります(もっと正確に言えば、1月31日以前の月日で転出届をし、2月1日以前の月日で転入届けを出す必要あります。遠隔地の場合は郵送で対応することが可能)。時間的にかなりタイトではありますが、この方法であれば加害者に渡らず、現住所を知られないというメリットがあります。
B二重給付は防げませんが、定額給付金制度の枠外で市町村が独自に被害者に支給すると判断して頂ければ「地域活性化・地域生活対策臨時交付金」を活用することも可能です。
ということで、現実的かつ現在できうる方法は@ Aの方法だけです。時間の制限もありかつ作業を被害者の方にお願いすることとなり、心のそこから申し訳ない思いで一杯です。
しかし、とにかく今はAの方法で一人でも多くの被害者へ支給するために私たち地方議員もがんばってまいります。
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